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2016.10.29 Saturday

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「ポケットモンスターを遊びつくす本」の思い出

2012.01.29 Sunday

部屋の整理をしていたら懐かしい攻略本が……
ポケモン赤緑世代現役でプレイしていた人でこの本の影響を受けた人は少なくないはず。

ポケモンを遊びつくす本表紙

赤緑の発売が1996年2月27日、この本の発売は1996年6月1日とのことなので、
人気沸騰後に雨後の筍のように出版されたポケモン攻略本のなかではかなり早い方だったはず。
自分がこの本を買った経緯はもはや覚えてないけど、
定価380円というお手頃さが小学生(とその親)の財布に優しかっただろうということは想像にがたくないですね。
たぶんソフトを親に買ってもらった時に、一番安い攻略本ということでセットで買っていかれたんじゃないだろうか。

しかし、この本の"良さ"は発売が早かったとか安かったという点ではなく、
一言で言えば"制作スタッフの愛"。これに尽きるでしょう。

まず本を開けて、袋とじを飛ばした最初のページがなんと殿堂入り後の賞状の画面。
その下には「本当の闘いはここから始まる!」というなんとも挑戦的な文字が。
そこからストーリー攻略などすっ飛ばして、150匹収集と対戦に重点をおいた"対戦攻略編"が載っているわけです。
今考えればポケモンというソフトの面白さが、収集および対戦にあるということを、
発売後3ヶ月強にして、スタッフがちゃんと認識していたんだなあと思わされますね。
対戦攻略編が38ページなのに対して、ストーリー攻略(RPG攻略編)が35ページで必要最低限のデータしか載ってないことからもよくわかります。

その対戦攻略編も、明らかに普通の攻略本とは違う”尖り”よう。
1匹しか入手できないポケモンや、石・通信進化するポケモンのリストはともかく、
複数選択で入手するポケモンのために、2回目以降のプレイのための下準備が紹介されていたり、
通信対戦では、後の公式ルールに先立って、レベル別対戦(レベル50台、6匹の合計300レベル以内縛り)での対戦を提案していたりしているのです。
がくしゅうそうちの使い方や、ドーピングについての解釈などは、努力値の概念が明らかになった今から見ると間違いが多いのですが、
データだけを見たのではわからない、明らかにプレイして書いた実践的な記事は今見ても面白い。
その総決算といえるのが、実際にプレイした5人の"トレーナーアドバイス"記事。
特に有名なのはたぶんこの二人でしょう。

トレーナーアドバイス2

最初に四天王のシバと戦ったときに、ヤツはいた。れいとうパンチとかみなりパンチを使いこなし、絶妙のタイミングでカウンターを仕掛ける。そうヤツの名はエビワラー。
(中略)
途方にくれていると、交換してもいいという奇特な人をゲット。早速サワムラーと交換。
てってっ、てってっ、てってっ…。
あこがれのエビワラーがやって来る。心躍らせながらしばし待つと、
「ビワラーをかわいがってください」
ビワラー???
「おれ、ポケモンの名前一文字ずつ変えてるんだ。」
なにー!!
(後略)

トレーナーアドバイス3

僕の好きなポケモンはピカチュウでもポリゴンでもない。おつきみ山のおやじから買ったコイキングだ。うちのパーティのエースはミュウツーでもサンダーでもない。おつきみ山のおやじから500円で買ったコイキングだ。
(中略)
そんな努力の甲斐があって、ついに待望の進化の時がきた。僕のコイキングはその姿を大きく変えた。(略)しかし、全っ然かわいくないのだ。(略)強さよりも大事なことがある。それがなにかを教えられたような気がした。さっそく名前だけでもコイキングに戻すことにする。僕はこの素晴らしさをみんなに伝えるべく、コイキングをいっぱい釣ってまわりにみんなに配って歩いたのだが、ギャラドスになったという報告を全然聞かない。(後略)


他にも『男なら「だいばくはつ」。』から始まる全員爆発できるポケモンを集めた手榴弾6発パーティも熱い。
記事の端に載っている育てたポケモンのステータス画面を見ると、レベル100になってるのに明らかにステがおかしかったり(ほぼ間違いなく裏技を使ってる)、突っ込みどころが満載なのだけど、実際プレイする時にこういうこだわりってあるよなぁと、とても共感できるんですよね。

あと、記事の下に載っている「ポケモンちょっといい話」も面白い。

・ワタルはカンナに勝てるのかな?
・ゲームボーイポケットが欲しかった。
・こっちを向いて笑うな(>ナッシー) 
・カビゴンの住む山は何処に?
・ギャラドスはドラゴンではない。
・プテラもドラゴンではない。

という素朴なツッコミ、ひとりごとや、

・カスミのバブル光線に気をつけろ。
・素早さが一番重要。
・凍らせる攻撃は強い。
・命中率90%の攻撃は怪しい。
・命中率80%の攻撃は信用できない。
・命中率70%の攻撃は危険。
・出現率1%のために3時間歩いた。
・3割の追加効果はかなり使える。
・良き対戦は良きマナーから。
・メダルは金で買え。

という今でも納得(特に命中率……)の教訓、

・炎ポケモンは見かけだけ強そう。
・草ポケモンは弱点が多すぎ。
・その願いがポケモンを起こす。
・ふしぎなアメはレベルアップ直後に使う。

という偏見も入ってないかというような素直すぎな発言が盛りだくさん。
これもどれもプレイしてないとわからないコメントばかりです。

こういうこだわりプレイや、普通の攻略本には載らない直球すぎるコメントは、今ならネット上の個人のブログだったり、ニコ動での実況動画、あるいは2chみたいな掲示板でしか見られないでしょう。
ネットなんてまだまだ一般的でない当時は、テレビと雑誌でしか情報の発信源がなかったわけで、
今ネットが担っている役割を、中小のこういうサブカル的ノリの本が担っていたんだなと懐かしくなりました。

この本が読み応えがあるのは、こういうネタだけではなく、田尻智氏へのインタビューが載っているところでもあります。

田:ゼニガメは、(略)けっこう人気があって、青が欲しいなって人もいるんです。だけど、3色のうちの2色を選ぶときに、赤っていうのが印象が非常に強い。(略)青と緑を選ぶときに、青っていうのは寒色でちょっと寒い感じがするなぁ、っていうようなことを話したんですよ(笑) (後略)
編:これだけ支持されたソフトということで、続編ってのは予定としてはあるんですか?
田:え〜実は、ハジマッテます(笑)。(略)気離櫂吋皀鵑鬮兇忙って行くって言うことはかならずやってあげたいと思っているんですよ。(略)今、任天堂にたくさん問い合わせが来てるんですけど、151匹目っていうのがじつはいるんです。(略)なんらかの形で、ユーザーに露出したいとは思っているんです。
編:通信という要素が重要なゲームだと思うんですが、(略)マナーとかルールとかっていうものを考えていますか?
田:遊ぶ側が自分たちでルールを決めて遊べればそれが一番いいのだと思います。(略)あまりにも交換をメインで作ってきたために、対戦を作る時期が非常に遅くなったんです。その時に考えたのがオートバトルみたいなものだったんですけど、非常に評判が悪かったんです。(略)そういう過程でできてきたものですからルール作りはプレイヤー側に委ねたんです。『僕らはレベル50以上のものは出さないルールでやってます』とか『出したポケモンのレベルの合計数が150超えないルールでやってます』とか、それぞれの人たちがそれぞれのスキルにあった形で遊んでいる、というのが結果的には良かったなと、そう思っています。

バージョンの候補から青が最初外された理由や、後の金銀あるいはミュウについて、さらに対戦についての考え方などかなり興味深いインタビューです。
対戦はすでに発売後3ヶ月の段階でレベル50戦(実際の公式戦は3匹のレベル合計155)が、ゲーフリの中で提案されてたというのもわかりますね。
ある意味、こんなマイナーな攻略本にインタビューを受けているという事自体が、当時のポケモンの注目度がいかに低かったかを示しているような気がします。

ちなみにこの本を発行していたのはキルタイムコミュニケーション
今ではコミックヴァルキリー(フリージングが代表作)や18禁の二次元ドリームマガジンなどを発行している会社ですが、元々は「マイクロデザイン出版局(現:マイクロマガジン)」の編集部門で、「ゲーム批評」や「パソコン批評」と関連があるというと、このアングラなノリもなんだか納得。

興味を持った人は中古本を探してみて欲しいのですが、自分の持っているモノクロ版は特に紙の質が低くて、最初の画像の通りたいがいボロボロ。(ちなみに自分のは裏表紙がないです……)
カラーの改訂版も出ていますが、良い状態で見つけるのは難しいかもしれません。

下記サイト・ブログの記事を参考にしました。
【かけるのブログ】 書評:ポケットモンスターを遊びつくす本
ポケモン本を斬る
「極める本」検証

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